マヌカハニーの人気が高まり、日本でも価格が高騰し続けています。
マヌカハニーは、ここニュージーランド特有のハチミツです。私の自宅の庭にもマヌカの木が植えられており、12月には白やピンクのかわいらしい花を咲かせていました。
ニュージーランドのマヌカハニーがなぜ人気なのかといえば、それはこのハチミツのパワーにあります。北半球に比べて環境汚染の少ない南半球の大自然に育まれたパワーに、その秘密が隠されています。そして、このハチミツは虫歯・歯周病にも応用できることをご存知でしょうか?からだの健康にも、お口の健康にも、マヌカハニーはしっかりと、働きかけてくれるでしょう。
1. マヌカハニーの栄養・薬と言われる理由
ハチミツには、何千年も前から薬として使われてきた歴史があります。
考古学者たちは、数千年も前のエジプトの王族の墓から、壺に入ったそのままのハチミツを発見しています。ヴェーダの伝統や古代ギリシャ神話、また聖書の時代においても、この地球上の世界中の文化の中で「ハチミツ」は素晴らしい癒しの宝として賞賛されています。
1-1.マヌカハニーの豊富な栄養 ・普通のハチミツの4倍
工業化された現代において、ハチミツはもはや、当時のようなものではなくなってきてしまっています。多くの種類のハチミツがある中で、次のようなことを選択の基準にすることができます。
・生または低温殺菌
・フィルタ処理またはフィルタ処理されていないもの
・コムハニー(巣まるごと自然のままのハチミツ)、またはホイップされたもの
・ローカルまたは輸入
世界的にみて、一般的なスーパーで購入できるようなハチミツは、高フルクトースコーンシロップ(「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」などと呼ばれているもの)と、それほど変わらないものも多くあります。ですから、本物のハチミツを手に入れたいときには、しっかりとしたところから購入することが必要です。
ところで、自然からの本物のハチミツには、どのような栄養が含まれているのでしょうか。
アミノ酸
ビタミンB群(B6、チアミン、ナイアシン、リボフラビン、パントテン酸)
カルシウム生蜂蜜、ハニカム
銅
鉄
マグネシウム
マンガン
リン
カリウム
ナトリウム
亜鉛
生の蜂蜜は、驚異的な栄養と免疫力を高める能力が知られています。一般的に生のフィルタ処理されていない蜂蜜は、豊富な供給源です。
ハチミツの中でもニュージーランドのマヌカハニーは、その栄養成分が通常の花の蜂蜜の最大4倍だといわれています。これは、ユニークマヌカファクターUMFと呼ばれるもので表されています。
1-2.マヌカハニーのUMF・選択のコツ
1981年、ニュージーランドのワイカト大学の研究者は、マヌカハニーは、通常の蜂蜜よりもかなり高いレベルの酵素を持っていることを発見しました。
これらの酵素は、抗菌剤として働く自然の過酸化水素を作り出します。ニュージーランドの蜂蜜のいくつかは、過酸化水素、メチルグリオキサール、ジヒドロキシアセトンが特に豊富です。
この薬用3種は、ユニークマヌカファクター(UMF)として識別され、マヌカの抗菌力を測定する際のグローバルスタンダードになりました。このUMFは、薬用品質のあるハチミツの保証になっています。
すべてのマヌカの花の蜜にUMF表示があるわけではありませんが、UMFマヌカと他のマヌカの違いは、大幅に効果を高める自然な過酸化水素と独自のUMFの抗菌性の両方の性質を持ち合わせているということです。
マヌカのUMF特性は非常に安定しています。他の一般的なハチミツの自然な過酸化水素と違って、熱、光、体の中の酵素によって壊れにくいのです。
UMFの最小の値は5です。マヌカハニーの抗菌性を利用するならば、UMF10+以上が良いといわれています。UMF10~UMF15 は有効なレベル、そしてUMF16 以上は優れた品質であるとされています。
本物のUMFマヌカハニーは、次の4つの事柄が挙げられます。
・UMF商標が、マヌカハニーの容器に表示されていること。
・ニュージーランドのUMFライセンス会社のもので、ニュージーランドでラベルされたものであること。
・UMFの会社名とライセンス番号がラベルされたものであること。
・UMF 5~16+の格付けがあること。UMFやこの格付けの数字がない場合、本物ではありません。
UMF協会によれば、UMFの格付けは実際に蜂蜜の抗菌性をテストし、フェノールの消毒剤と比較しているということです。
また、Active Manuka Honey Association(AMHA) アクティブマヌカハニー協会は、テストについて次のように述べています。
「特別な非過酸化活性の存在は、直接フェノールを基準にした科学的試験の配列によってのみ、検出することができます。格付けは、フェノールを基準にして1対1の関係にあります。」
これは20+のUMFの評価は、フェノールの20%溶液の強度と同等であることを意味しています。
理想的なUMFの評価は、マヌカハニーを利用する目的によって異なります。しかし実験室での研究では、マヌカハニーの非過酸化活性レベルUMF12-UMF15で、広い範囲の強い耐性菌に対して有効であることが示されています。
どの値のUMFマヌカハニーを使えば良いのか、以下のことを参考にしてください。
0-4 治療的なレベルではありません。
4-9 一般的な蜂蜜の健康上の利点が期待できます。メンテナンスレベル。
10‐14 自然治癒、細菌のバランスをサポートします。
15+ 優れたレベルで治療的なレベルですが、一度に大さじ1を超えて摂取してはいけません。
2. マヌカハニーの効果
このように、実験室レベルの研究でもその実証されているマヌカハニーの抗菌性。
マヌカハニーは長い間、ナチュラルな健康の世界でもてはやされてきましたが、とくに近年、健康に対する研究が盛んに行われるようになり、その効果は民間薬として多く使用されています。マヌカハニーの主な使われ方トップ5は、次の通りです。
2-1.SIBO(小腸細菌異常増殖)、低胃酸、胃酸逆流
小腸細菌異常増殖(SIBO)、低胃酸や胃酸の逆流は、密接に関係しています。
天然の抗生物質の性質をもつことで知られているマヌカハニーは、細菌が関係している疾患にとって素晴らしい薬になります。
実際に、最近の研究によればこの3つの疾患には、一つの危険な細菌が関係していることがわかっています。クロストリジウム・ディフィシルは、マヌカハニー殺菌効果に非常に影響を受けやすいことが判明しました。マヌカハニーのクロストリジウム・ディフィシルに対する効果
マヌカハニーは、胃酸の逆流を減少させ、胃や腸など消化器系のバランスを取り戻すために、非常に有益です。
2-2.にきび、湿疹
インターネット上には、マヌカハニーがにきびや湿疹に見事に作用してくれたという、数多くの声があります。
マヌカハニーの抗菌性、治癒効果が証明されていることを考えれば、これら皮膚の状態を癒すことができることは想像に難くありません。ほとんどの人は、数分間患部に蜂蜜をつけて、その後、マイルドな石鹸と水で洗い流すのだそうです。最良の結果を得るために、毎日または一日おきにこれを繰り返します。
2-3.MRSA
過去何年にもわたって病院を悩ませてきた、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を聞いたことがあると思います。
抗生物質の乱用、薬物の非有効性の結果、黄色ブドウ球菌のある株が、病院や老人ホームなどの医療現場でこのような事態を引き起こしています。MRSAの影響は急速に拡大し、手術、人工関節、チューブが介在する場合にはさらにその影響は大きくなります。
しかし英国・カーディフメトロポリタン大学の研究者は、自然的な希望をもたらしてくれました。
マヌカハニーが、MRSA細菌の最も強力な遺伝子を制御することを発見したのです。一部の科学者は現在(特に病院や老人ホームで)傷や感染症への定期的な局所使用で、自然にMRSAを維持することを示唆しています。
2-4.やけど、傷、潰瘍
自然医薬品のJundishapur誌の最近の記事によると、
「蜂蜜の使用は、急性の創傷治癒の改善、火傷した患者の痛みの緩和、またこのような患者における炎症反応を減少させた。」Evidence for Clinical Use of Honey…
ことを伝えています。さらに、マヌカハニーの豊富な抗酸化、抗菌および抗炎症特性は、静脈の潰瘍を持つ人々の感染を予防することが示されています。
またマヌカハニーは創傷治癒を迅速に促進するため、創傷被覆材として非常に効果的なものとして使用され続けています。
2-5.虫歯、歯ぐきの炎症
最近のいくつかの研究結果によると、マヌカハニーは歯肉炎や歯周病など歯ぐきの炎症を治癒する効果があることがわかっています。
オタゴ(ダニーデン、ニュージーランド)の大学の研究者によれば、マヌカハニーの優れた抗菌性によって、マヌカハニー製品を噛むことでプラークの発生を35%抑制し、歯ぐきの炎症による出血を35%減少させることが示されています。The effects of manuka honey…
また、ハチミツの中のカルシウム、亜鉛、リンなどは、歯を自然治癒(再石灰化)させるための重要な栄養素です。
以上マヌカハニーの5つの使われ方以外に、喉の痛みや風邪の症状の緩和、副鼻腔炎などアレルギー症状の緩和、肌への応用、床ずれの改善、眠りの改善など、数多くの実証が世界中から報告されています。
3. マヌカハニーの副作用
マヌカハニーには様々な効用があることが知られている一方で、研究対象の患者数が少ないこともあり、様々な症状、疾患をもつ患者における研究データは多くはありません。
マヌカハニーは人工的に生成された薬物ではなく、自然食品です。しかし可能性として、以下のような副作用が考えられるとされています。
・とくにハチに対するアレルギーをもつ人のアレルギー反応の可能性
・血糖値の上昇リスクの可能性
・薬物(化学薬)との相互作用による副作用の可能性
4. マヌカハニーの医療への応用
医療グレードのマヌカハニー製品を製造販売している会社があります。ManukaMed
科学者たちは医療的な答えを得るために、「自然」に目を向け始めています。そして患者たちは、「治療」を探し求めています。
マヌカハニーには、抗菌性、抗炎症性、抗酸化作用があります。ManukaMedでは、患者さんのより良い健康のために、Naturalにこだわっているそうです。持続可能な自然環境の中で、厳しい基準のもとマヌカハニー製品をつくり提供しています。
傷へのアプローチ、肌へのアプローチ、喉など…
多くの医療従事者がアクティブなマヌカハニーを用いて、一般的な治療には効果を示さない患者の反応を観ています。そしてさらに多くの結果が、臨床の場から報告され始めています。
5. マヌカハニーのまとめ
食品として安全性の高いマヌカハニーの医療への応用は、今後ますます注目されていくことでしょう。
化学薬品は人間のからだに「同化」できませんが、自然のものにはその働きがあります。細胞、組織レベルに作用し、器官や組織を「組み立てる」方向に働いてくれるもの、それが自然の力です。
必要以上に健康な細胞を害することなく、からだ本来の自然なバランスを保ちながら確実に効果を発揮してくれるもの。マヌカハニーはこのような点で、今後さらに期待できるもののひとつとして、世界の人々の健康のために活躍してくれるものに間違いありません。
ニュージーランドの自然が育んだマヌカ製品・Kiwiherb