口臭が胃から卵の腐ったような臭い


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胃の病気からくる口臭があります。

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃食道逆流症などです。歯科医師は、口臭の原因のひとつに胃からくるものがあることを知っています。口臭の原因になる胃の病気について、考えます。

 

 

1.口臭の原因:胃食道逆流症

 

口臭の原因の80%以上は、口の中に原因があるといわれています。

 

歯科医院で虫歯や歯周病の治療をしても改善がみられない場合、口の中以外に疾患がみられることがあります。しかし内科では、口臭が気になるので胃の検査をしてほしい、と伝えても胃が原因のことは極めて少ないと説明されることもあるようです。食道の入り口は物を飲み込むとき以外は閉じているので、臭いが漏れてくることはまず考えられないということが理由のようです。

しかし最近の研究では、口臭の原因になる舌の付け根付近の細菌増殖と胃食道逆流症の関連性がわかっています。

また、胃食道逆流症と歯ぎしりの関係も報告されています。

酸の逆流で食道の中のpHが低くなると歯ぎしりが活発になり、胃食道逆流症を治療すると歯ぎしりが緩和されるというもの。歯ぎしりをすることによって唾液の分泌を促し、胃食道逆流症の症状を緩和しようとしているのでは、と推測されています。

 

胃食道逆流症は、食道と胃の境界部分が緩んで胃の内容物が食道に逆流することが原因です。

この緩みを改善させるために、逆流してくる胃酸の分泌を抑制する薬の投薬や内視鏡による治療や手術などがあります。

セルフケアとして、前屈みになったり食後すぐに横になるのはよくありません。また、就寝時には上半身を高く左を下にして寝ると逆流を起こしにくくすると考えられています。おなかについた脂肪もよくないため、減量が必要です。

 

酸性の強い食べ物、辛い、熱い、甘いものも胸やけの原因になるので避けます。タバコやアルコールも控えた方が良いでしょう。専門医に相談することをお勧めします。

 

 

2.口臭の原因:胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍

 

慢性胃炎は、食欲不振、消化不良、胃もたれ、胸やけ、鋭い胃の痛み、吐き気、嘔吐、口臭を伴うげっぷなどが症状として現れます。

胃は食道へ食べたものが逆流しないように筋肉がはたらいていますが、胃酸過多などで過剰に食べ物が発酵すると悪臭が発生するようです。胃に胃酸が多くなり強い酸性になると、口の中も酸性になりやすく口臭の原因菌が繁殖しやすい状態になります。

 

胃潰瘍は、みぞおち付近の違和感や痛み、背中の痛みと共に吐き気や嘔吐、吐血、下血、食欲不振、体重の減少などが症状として現れます。

コールタールのような黒い便や貧血などもあります。黒い便や貧血はすでに胃からの出血がある証拠で、かなり症状が進んでいる状態です。胃潰瘍はストレスが主な原因だといわれてきましたが、最近ではヘリコバクター・ピロリ菌という細菌に感染によるもので、胃粘膜が弱り自ら出す酸性の強い胃酸で胃壁が傷つき潰瘍になることも知られています。

 

またピロリ菌のほかに、解熱鎮痛薬の副作用として胃潰瘍が現れることがあります。また、脳卒中や心筋梗塞などのために抗凝固剤を服用している場合も、胃潰瘍になるリスクが高まるといわれています。

このような薬を服用している場合、量や期間、服用方法などを見直す必要があるので専門医に相談するといいでしょう。このような胃が原因の口臭は、食べ物の異常発酵が原因なので卵の腐ったような匂いがします。

 

 

十二指腸潰瘍は、胃の酸が十二指腸に流れ込み、粘膜がただれて十二指腸潰瘍になります。

 

十二指腸は胃と小腸をつないでいる消化器官で、胃から送られてきた食べ物を胆汁や膵液でさらに消化しています。胃潰瘍が食後に痛みを感じることが多いのに対して、十二指腸潰瘍は空腹時や夜間に痛みを感じることが多く、胸焼けやゲップ、吐き気や食欲不振などが症状として現れます。胃炎や胃潰瘍ど同様に、食べ物が消化不良を起こし異常発酵して口臭に結びつきます。

 

異常発酵をした匂いが、血液中に取り込まれて全身をめぐって肺にまで到達すると、息に混じって口から吐き出されて口臭が強くなります。十二指腸潰瘍が原因の口臭も胃潰瘍のときと同様に、卵が腐ったような臭いがします。

 

 

3.口臭の原因:胃癌

 

胃癌は早い段階での自覚症状は少なく、かなり進行しても無症状の場合があります。

 

胃の痛み、不快感・違和感、胸焼け、吐き気、食欲不振などがありますが、これらは胃炎や胃潰瘍でも起こる症状です。同じように貧血や黒色便も胃癌特有の症状ではありませんが、発見のきっかけになる場合もあります。

食事が喉に通らない、つかえる、体重が減る、などの症状は、進行胃癌の可能性もあります。胃に癌があると細胞が壊死するので、壊疽臭とよばれるドブのような便のようなきつい口臭がするといわれています。

 

このように、胃をはじめとして全身疾患が原因で口臭が発生することがあります。

口の中が原因の口臭が8割以上なので、残りの1~2割が全身的な疾患に原因があります。いつもと違う口臭に気づくことによって、病気の発見につながることも考えられます。根本的な口臭の原因が口の中ではなくても、連動して口の中に虫歯、歯周病などが悪化することもあります。このようなときには、医師と歯科医師が連携して対応する必要があります。

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